アンドリュー・バード/ハンズ・オヴ・グローリー
ANDREW BIRD: Hands Of Glory Mom & Pop / Modulor (CLTCD-2022)
◆オリジナル楽曲の歌詞対訳付
◆ポストカード封入
TRACKLISTING
1) Three White Horses
2) When That Helicopter Comes
3) Spirograph
4) Railroad Bill
5) Something Biblical
6) If I Needed You
7) Orpheo
8) Beyond the Valley of the Three White Horses
▼ この春リリースの3年ぶりとなるアルバム『Break It Yourself』がまたしてもアメリカで大ブレイク(前作『Noble Beast』を上回る最高位10位を記録)、名実共に、当代USインディーを代表するシンガー/ソングライターのひとりとして、その地位を揺るぎないものとしつつあるシカゴの天才アンドリュー・バード。
▼ その止め処ない創作意欲は留まる所を知らず、『Break It Yourself』には収録しきれなかった更なる8曲(オリジナル4曲、カバー4曲)を、『ハンズ・オヴ・グローリー』としてパッケージ化、リリースが決定!
▼ 収録楽曲は、ヴァン・モリソンやジョーン・バエズも歌ったトラディショナル「Raillroad Bill」、オルタナ・カントリーのベテラン夫婦デュオ、ハンサム・ファミリーの「When That Helicopter Comes」、ボブ・ディラン、イヴァン・ダンドゥからノラ・ジョーンズまで、世代を越え様々なアーティストから愛でられた音の旅人タウンズ・ヴァン・ザントの「If I Needed You」、アルファ・コンシューマー(メンバーのジェレミーは、アンドリュー・バードのバンド・メンバーでもある、本作にも参加)の「Spirograph」というカバー4曲と、『Break It Yourself』収録曲のリワークとなる「Orpheo」、先行試聴が行われている「Three White Horses」とその対となる壮大なエンディング曲「Beyond the Valley of the Three White Horses」、そして「Something Biblical」の、計8曲。
コレクター垂涎のメガレア盤『It’s All Right With Me』で知られるドイツ人女性ボーカリスト、インゲ・ブランデンブルクによる驚きの未発表集が登場。「Love For Sale」や「I’ve Got You Under My Skin」をはじめとしたおなじみのスタンダード曲から、DECCA盤7”(こちらもレア)のみで聞くことができた「All Of Me」や「Lover Man」などなど、『It’s All Right With Me』未収のレパートリーを多数含む、全22曲のコレクション。ちょっとかすれたような艶やかな、しかしながら力強くしなやかな彼女の歌声と、それを支えるタイトな演奏(一部楽曲ではダスコ・ゴイコビッチも参加)が一体となって醸し出される独特の世界観は、『It’s All Right With Me』の再発で彼女のことを知ったリスナーのみならず、広くジャズ・ボーカル・ファン全般に向けて訴求すること間違いなし。「ドイツのサラ・ヴォーン」と謳われた、ヨーロピアン・ジャズが誇る特級の至宝による、瞠目の発掘仕事。
▼ 一部の熱心なジャズ・ボーカル・マニアたちのあいだでレア盤として垂涎の的となっていた『It’s All Right With Me』(1965年・CBSソニー/オークションで1000ドル以上になることもしばしば)が、多くの希少盤再発で知られる<SONORAMA>レーベルから2000年代の半ばに復刻され、マニアのみならず、広くジャズ~レアグルーヴ愛好家たちのあいだで認知されるようになったドイツ人ボーカリストのインゲ・ブランデンブルク。
▼ ドイツのジャズ界では当時「アメリカにサラ・ヴォーンがいるように、ここにはインゲ・ブランデンブルクがいる」とも言われ、インターナショナルなジャズ・マーケットでの成功が期待されながら、レコード会社の事情により、ジャズ・ボーカリストとしてはその後長く不遇な時代を経験し、結局ジャズを吹き込んだアルバムとしては件の『It’s All Right With Me』(ギュンター・ハンペルの初期レコーディングとしても有名)一枚を残したのみで、失意のうちに業界を去っていったインゲ。1999年、彼女の没時には、わずか7名の近親者がセレモニーに参列したのみだったという。
▼ 『It’s All Right With Me』のタイトル曲(アルバムとは別録音)や、DECCAの7”EP『Herzlichst Inge』で聞くことのできた⑬「All Of Me」や⑨「Lover Man」などに加え、コール・ポーターの⑤「Love For Sale」や⑧「I’ve Got You Under My Skin」、ダスコ・ゴイコビッチのグループを従えた⑥「Love Me Or Leave Me」などなど、力強いビッグバンド、ストリングスを加えた豪華なオーケストラから小粋なカルテット、クインテットまで、様々なスタイルをバックに、熟練ジャズマンたちのスリリングな演奏の上で、力強くしなやかに歌いあげるインゲ・ブランデンブルク。
▼ ドイツ語で歌われる⑮「Over The Rainbow」やエディット・ピアフの歌唱で知られるシャンソン曲「Non, Je Ne Regrette Rien」(「水に流して」)のカバーなど、変化球も、絶妙。
▼ 『It’s All Right With Me』だけではなかった、まだ知られざる彼女の最盛期を記録したこの貴重なリリースを手掛けたのは、独ポリグラムの名プロデューサーで、自身もコンポーザーとして多くのヒットを持つ故ベルト・ケンプフェルトの楽曲を管理する音楽出版社<Bert Kaempfert Music Publishing>傘下のレコード・レーベル<Silver Spot Records>。