ボーカルのレックス・ナイマンとキーボード奏者のヴィック・マーティンによるデュオ・ユニット、レクシーのアルバム『Running Out Of Time』が再発。
レックスは当時デザイナーを目指して服飾を学んでいた学生で、ヴィックはユーリズミクスやボーイ・ジョージ、ワークシャイらのアルバムにも参加していたセッション・プレーヤー。現在はゲイリー・ムーアのバンドで演奏しています。
ふたりはニューロマンティック・ムーヴメントの聖地「ブリッツ」で出会いバンドを結成、1981年に唯一のアルバム『Running Out Of Time』を発表。しかしながらその後ほどなくしてレックスが当初の志望どおりデザインの道へ進むことになりグループは活動停止に。
レコードは2000年代に入ってからジョーイ・ネグロのZレーベルのコンピ『Under The Influence』でピックアップされたり現行インディのミュージシャンたちが話題にしてその存在が広く知られることに。
中でもぞっこんだったのがブラッド・オレンジでもマイクを握るフレンズのサマンサ・アーバニでした。サマンサはこのレコードのために自ら「URU」レーベルを設立、セバスチャン・テリエやゴティエのUKデビューをセットアップしたことで知られるロンドンのラッキーナンバー・ミュージックのサポートを得て、今回の再発を実現させました。
全体的にはシンセ・ポップなのですが、『Under The Influence』にも収録の「Nervoso」はアジムスやインコグニートを思わせるインストのジャズファンク。この時代のファンカラティーナとかギタポのバンドがシングルのB面でポロっとインストのファンク・ナンバーをやっていたりとか、たまにありますよね。そんな感じです。他にも、エルヴィスやチャック・ベリーのカバーもあったりして、バラエティに富んでいてインディ・マニアじゃなくても楽しめる内容のアルバムだと思います。
祝復刻!でコナン・モカシン、アリエル・ピンク、ジェフ・バーバラなどなどカバーも続々。