WARPからのリリースで名を馳せたフィンランドの
鬼才ジミ・テナーによる待望の最新作がオランダの
名門<キンドレッド・スピリッツ>から登場!
よりスピリチュアル&ディープに大胆な進化&深化を
遂げた、キャリア史上の極北とも言うべき突端の名盤が
ここに誕生!
ジミ・テナー&カブカブ/ミステリー・オヴ・エーテル
JIMI TENOR & KABUKABU: Mystery Of Aether
Kindred Spirits | RTMCD-1030
TRACKLISTING
1. Selvanakija
2. Africa Kingdom
3. Suite Meets
4. Dance of the Planets
5. Curtain of Steel
6. Starstuff
7. Universal Love
8. Resonate and Be
9. AfroEuropean
10. Eternal Mystery
▼ テクノ/エレクトロニックなリリースが大半を占めていた1990年代後半のWARPレーベルの中で、生音を前面に押し出したユニークなサウンドでとりわけ異彩を放っていたジミ・テナー。WARP以降も、地元SahkoやKitty-yo、Ubiquityなど様々な先鋭レーベルを渡り歩きながら、スピリチュアル、ジャズファンクやアフロ、ロックなどが混在したカテゴライズ不能なストレンジ・サウンドで好事家たちの耳をピンスポット爆撃、世界中のミュージック・ラヴァーたちのあいだで確固たる支持を獲得してきた奇才中の鬼才である。
▼ そんなジミ・テナーによる、トニー・アレンとのスペシャル・コラボレーション<Inspiration Information>に続く待望の最新リリースは、ここ数年の彼のプロパー・プロジェクトであるドイツのアフロ・バンド、カブカブとのジョイント再び。しかも、これまで以上にピリチュアル&ディープなサウンドへと急加速、キンドレッド・スピリッツからのリリースというのも全くもって頷ける、ビルド・アン・アークやノスタルジア77も真っ青な重厚極まる外宇宙アンサンブルを披露。
▼ チャールズ・ミンガスあたりからの影響をモロに伺わせるヘヴィーなビッグバンド・スタイルの変拍子トラック「Selvänäkijä」(M①)は、ゴリゴリでありながらもどこかフリーキーで、ヨーロピアン・ジャズ特有の仄暗さや陰りのようなものが感じられる、本作の特質を集約したような佳曲。一転してヴィヴィッドなアフロビートの血を注ぎ込んだ「Africa Kingdom」(M②)もまたスバラシイ!抑制をきかせながらジワジワとグルーヴ感を維持しつつ、後半のパヤヤ・コーラスとスペイシーなシンセ・サウンド(3分40秒あたり~)で多幸感がスパーク!
▼ 重く引きずるようなハチロクのビート上を寂寥感溢れるシンプルなホーンが所在なさげに漂う「Suite Meets」(M③)も大変にスピリチュアル、タイトルからしてモロな「Universal Love」(M⑦)も同系統で、秀逸。2分前後から聞ける怪しげなフルートは何とジミの自作楽器だとか。「もっと独自の、自分しか紡げないようなクラーヴェが欲しかった」という彼が自ら森に分け入り枝をカットし作り上げたオリジナル楽器による、アウター・スペースのアヤし過ぎるジャングル・ブギー!
▼ <Inspiration Information>にヤラれてしまった方にはアップリフティングなアフロ・アンサンブルの「Dance of the Planets」(M④)やアナログ・シンセの出音もクールな「Starstuff」(M⑥)がオススメ!
▼ 1920年代エリントンのジャングル・サウンドに始まり、50年代ミンガスの『直立猿人』的サウンド、60年代フィル・コーランの神秘主義、70年代のブラック・スピリチュアル・ジャズを経由して2010年代の北欧に結実したストイックなジミ流スピリチュアル・サウンド。
▼ これまでのジミ・テナー・ファンはもちろんのこと、ノスタルジア77ことベン・ラムディンの一連の仕事やビルド・アン・アークなどの進行形スピリチュアル・ジャズ・バンドのリスナー、JAZZMANのコンピ『Spiritual Jazz』にヤラれてしまった旧音源ディガー、さらには、ヒプノティック・ブラス・アンサンブルやアンティバラス、一連の<Inspiration Information>シリーズのファン、ムラトゥ・アスタケ好きマージナル系まで幅広くレコメンドしたい渾身の一枚。ジミのキャリアの中でも指折りのクオリティーを有する傑作だっ!