ノーウェーヴ/ヒップホップ初期のNYCアンダーグラウンドで
デス・コメット・クルーやアイク・ヤードのリーダーとして活躍した
スチュアート・アーガブライトと、
オルタナ前夜におけるジャンク/ノイズの先駆者としてスワンズや
ソニック・ユースと共にその名を轟かせたライヴ・スカルの創立メンバー
であるマークCによる驚きのジョイント、その円熟の極みとも言うべき
2013年の新作。
ダブやクラウトロック、ミニマル&シンセ・ミュージックを消化した
極めてコンテンポラリーな進化系パンクファンク・サウンドを満載した、
世代も時代も飛び越えたニュー・クラシックス!!
o13/タイム・ウェイヴ・ゼロ
o13: Time Wave Zero
Desire | calentito (CLTCD-2032)
1. Lost Pavillions
2. Ocean
3. Remote Purity Control
4. Vaporize
5. Summer Of The Dragonfly
6. Witchfire
7. Wilderness Express
8. Two For Tomorrow
9. Time Wave Zero
10. Theme
◆ スチュワート・アーガブライト&マークCというニューヨーク・アンダーグラウンドのベテランふたりを中心としたライヴ・ユニットのo13(またはOutpost 13)。
◆ スチュワートは、あのラメルジーをフィーチャーした伝説のノーウェーヴ/ヒップホップ・ユニット<デス・コメット・クルー>のリーダーで、クレプスキュールやファクトリーからのリリースでカルト的な人気を博したアイク・ヤード、さらには、ダンサー御用達のエレクトロ・クラシックス「ドミナトリックス・スリープス・トゥナイト」の生みの親としても知られる人物。
◆ マークCは、パンクの名門ホームステッドからのデビュー作が、先ごろ活動30周年を記念して初CD化されたジャンク・バンド<ライヴ・スカル>の創立メンバーのひとりで、ジム・スクラヴノス(グラインダーマン/ニック・ケイヴ&バッド・シーズ)とのフューズや、元ソニック・ユース~プッシー・ガロアのボブ・バートとのインターナショナル・シェイズ(Int'l Shades)などでも活動。
◆ このふたりを中心に、ザ・ホーリー・ゴースト(2000年代初頭から半ばにかけて活動したロック・バンド)のケント・ハインをベースに迎えたトリオ=o13が、2010年のEP『Vandal Tribes』(On-Uのガール・パンク・レジェンドのジュディ・ナイロンや、プラネット・ミューのVex’dがゲスト参加)に続いて、待望のデビュー・アルバム『タイム・ウェーヴ・ゼロ』を完成。
◆ 全体を貫く、いかにもスチュアートらしい、映像を想起させるシネマティックなシンセ使いと張り詰めたテンション、独特のコントラスト。その端々に、ポストパンクやノーウェーヴ、ダブ、ヒップホップ、ミニマル、クラウトロック、インダストリアル、テクノ、シンセ・ミュージックなどなど、様々な音楽を経験してきたベテランならではの、絶妙な、しかしながらどこかイビツなバランスのミクスチャー・サウンドが渦を巻く。
◆ プリミティヴな反復が控えめながらも心地よいグルーヴを紡ぐM①「Lost Pavilions」やM⑩「Theme」、ダビーなベースラインでパンクするM②「Ocean」、イルビエントにも通じる、ダークでメディテイティヴなトリップ感を持ったM⑥「Witchfire」、パンクファンクなボトムとドリーミーなシンセを組み合わせたM⑧「Two For Tomorrow」やタイトルトラックのM⑨「Time Wave Zero」ほか、山あり谷あり、起伏に富んだこの多彩な展開は、さすが30年のキャリアを持ったベテランならでは。
◆ ポストパンク~ノーウェーヴ~On-U~エイドリアン・シャーウッド~クラウトロックやインダストリアル好きまで幅広くレコメンドできる、ミニマル/シンセ・ミュージック時代の異端パンクファンク金字塔。