名門TraumやBorder Communityからの
シングル・ヒットによりヴィラロボスやルチアーノに続く
ニュー・タレントとして大きな注目を集めたチリの奇才
リカルド・トバールによる初アルバムが遂に完成。
レフトフィールドなミニマルのエッジ&ソフトタッチな
トランス感覚を維持しながらも、歪んだキック、不規則に
揺れるリズムとプログレッシヴ&インダストリアルな
サウンドスケープの絡み合う突出した音世界は、
まるでマイク・オールドフィールドが呪術ミニマル化
したかのごとし。
リカルド・トバール/トレイユ
RICARDO TOBAR / Treillis
Desire | calentito (CLTCD-2034)
1. Sleepy
2. Organza
3. Garden
4. Hundreds
5. Straight line in the water
6. Otte's denial
7. Essen
8. If I love you
9. Mirror
10. Back home
11. Le quartier du quatrième
◆ 2007年に英Border Communityからシングル『El Sunset』でデビュー、リカルド・ヴィラロボス、ルチアーノに続くチリからの刺客としてヨーロッパのミニマル・シーンで大きな注目を集めたリカルド・トバール。
◆ デビューから6年、マイペースな活動を続けてきた「もうひとりのリカルド」が、満を持して初めてのフル・アルバムをドロップ。
◆ キャリア初期にドイツの名門Traumからカットしたシングル(『With You』)は、何故かステレオラブやスペースメン3を引き合いに出して評された。今回アルバムからの最初のシングル『If I Love You』は「アシッドまみれのカリブーが横道へと脱線したかのよう」などと言われている。古ぼけたドラムマシンとサンプラー、最小限のアナログ機材を武器に、さぁ、寡黙な異端児の逆襲がここから始まる。
◆ バック・トゥ・オールドスクールなキック、タチの悪い酩酊を誘うアシッドなシンセとテクノ・ミュージックからかけ離れた音の歪み。アルバム発売のアナウンスと同時に公開された「Garden」(M③)は、辛うじてエレクトロニック・ミュージックの体裁を保ちながらも、ササクレ立ったローファイな出音は完全にインダストリアル。
◆ ボディー・ミュージック的な鉄槌を想起させる硬質なスネア、執拗なタムの裏打ちやブツ切りのループ感も斬新なシングル曲「If I Love You」(M⑧)もキラー。
◆ フランキー・ナックルズのごとき美しいシンセを鳴らす「Organza」(M②)や「Hundreds」(M④)あたりも、DJ INTERNATIONALやNU GROOVE的なハウス感をにじませつつも、独特の歪みや奇形カットアップを施すことによって完全にオリジナルなリカルド・マナーへとメタモルフォーゼ。
◆ 現行インディー・ミュージックのダンス・マナーやインダストリアル志向をふまえながら、ジェームス・ホールデンの新作にも通じる得体の知れない異物感、ソフトタッチなトランス感覚、リズムの揺らぎとディストーション、モダン・シューゲイズ、呪術的でプログレッシヴなサウンドスケープをクロスさせた極めて野心的なレフトフィールド・テクノ・サウンドは、クラブ/ロックの垣根を越えて刺激的なサウンドを求める貪欲な音楽ファン全域にレコメンド。ヴィラロボス、ルチアーノやホールデンあたりのファンはもちろん鬼マスト。