2011-05-09

FERNANDO KABUSACKI "Luck"




2011 年4月、約3年半ぶりの来日ツアーで16公演を行い、各地で優れた即興演奏家たちと素晴らしいセッションの数々を繰り広げた異能のギタリスト、フェルナンド・カブサッキ。


アルゼンチンで一足先にリリースされ、すでに絶賛を浴びている本作は、『The Flower + The Radio』(2006)以来となる待望の新作スタジオ・アルバム。


ごく短いスケッチのような無駄のない簡潔さがありながら、精緻に作り込まれてもいる楽曲が連なり、作曲と即興、ポップとアンビエント、ビートとノンビート、といった一見対照的な要素が絶妙なバランスで溶け合っている。ここにはCAN の傑作『スーン・オーヴァー・ババルーマ』を彷彿とさせるような美しい浮遊感があるが、そこはかとないユーモアと哀愁の漂う本作の方がずっと人懐こく感じられもする。紡がれていく一音一音はあくまで明晰ながら、いつしかあらゆる境界がファジーになっていく白昼夢のような感覚もカブサッキならでは。全28曲、75分。


フェルナンド・サマレア、サンチャゴ・ヴァスケス、アレハンドロ・フラノフ、マリア・エヴァ・アルビストゥール、ムッサ・フェルプス他、多数のゲスト・ミュージシャンが参加。


ウィリアム・S・ハート主演のサイレント西部劇の名作『曠原の志士』(1925) の音声が効果的に引用されている。


フェルナンド・カブサッキ/ラック

FERNANDO KABUSACKI: Luck
calentito (CLTCD-2003)

01. El Capitan
02. The V-Bass
03. Piano
04. Suerte!
05. The monks
06. La niña del día
07. Toledo
08. It's only light
09. Rosario misteriosa
10. Capullito azul
11. The Saints in Heaven
12. The heat
13. People of the world
14. Tumbleweeds I
15. El espíritu de la alegría
16. El pibe
17. El molinero
18. La provincia invisible
19. Tema de amor
20. Angel of light
21. Como el agua clara
22. In my heart, forever
23. El burrito
24. No me digas que me quieres...
25. Tumbleweeds II
26. Lady's gone
27. Halconcito pichon
28. Mi árbol de lilas