00年代エレクトロニカの牧歌的なムードを新たなかたちで今によみがえらせるアリゾナの新進エレクトロニック・アクト Neuro... No Neuro のアルバムがIDMの老舗レーベル「ミルプラトー」から登場。ファンタジックでエモーショナル、どこか懐かしくもフレッシュな電子サウンドを満載した好盤です。
ニューロ… ノー・ニューロ/ポジティヴ*
NEURO... NO NEURO: Positive*
Mille Plateaux (RTMCD-1636)
1 This Time For Sure
2 I_m Trying To Be More Positive
3 Even I Can See This Now
4 Of Course You Know It All
5 A Day With Focus
6 When You Actually Want To Wake Up
7 Drier Days Ahead
8 Almost Through
9 What Kind of Area
10 Right Next To Myself
11 Shared Disorientation
12 Less Yakkin More Stackin
◆ Neuro... No Neuroは米アリゾナ出身のエレクトロニック・ミュージシャン、カーク・マーカリアンのソロ・プロジェクト。2010年代の後半から英シェフィールドの老舗電子音楽レーベル「Audiobulb」を通じてコンスタントに作品をリリースしエレクトロニカ愛好家たちの間で注目を集めてきたニューカマーです。
◆ その最新作が近年再始動しカタログ再発だけでなく現行アーティストのリリースにも力を入れているドイツの(こちらも老舗の)ミルプラトー・レーベルから登場。
◆ オープニングの「This Time For Sure」からこみ上げるような懐かしさやエモーションが全開。控えめながらも多幸感がジワリにじむM③「Even I Can See This Now」もたまりません。
◆ 牧歌的で幻想的なムードは2000年代初頭のOpiateやIsanあたりを思い起こさせるようなところがありつつ、ドローンのM⑪「Shared Disorientation」をのぞいてほとんどの曲が2分から3分の短さで空気のようにつかみどころがなく、エモさと軽さ、アブストラクト具合の絶妙なバランスが、この作品に独自の中毒性を生み出しています。